2008年夏、黒姫の森に入る機会が有り、豊かに見えるのに実は病んでいる。と、ガイドから説明を受け大いに驚き衝撃を受けました。
近年安い輸入材の影響で、日本の林業は衰退してしまったそうです。
植林された人工林は本来定期的に間伐(間引き)を行ない十分栄養が行くように整備されなければなりません。放置された人工林は木が過密に生えたまま。土壌が雨で流出。水が蓄えられず、脆弱な森は簡単に山崩れを引き起こします。
間伐材を使う。今まで、森を守る為に木は切ってはいけないものだと思い込んでいた私は、目から鱗。自分の無知を知りました。
間伐材の服を表現する事によって日本の森林の現状を知ってもらいたい。強い思いを持つようになりました。
インスタレーションでは間伐材で様々なアプローチを試みた衣服とそれらを撮りおろした写真を展示しました。染色は全て植物染料で手染めしたものです。
撮影は蜷川実花氏によるものです。
森林は地球環境になくてはならない貴重な資源。Co2 を固着し私達に新鮮な酸素を送ってくれる。水を保ち多くの命を育む大地の母。
人類は森と共に有り、森が崩壊したところでは、人類は生きてゆく事が出来ません。
緑を失った時「土」は失われ「水」は失われ文明は滅びるのです。
森林は海と同様に、地球の生命維持装置なのです。
続く…